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2007年9月更新
DCSのクラフトマンシップ 第3回 木の仕事師 家具の技術を繊細な照明デザインに反映する
								有限会社タケダ木工 武田幸雄
家具の技術を照明に
うぃーん、がしゃんがしゃん。木を加工する機械の音が工場内に響く。

武田さん夫婦は二人三脚でDCS照明の木の加工を手がける。朴訥なご夫婦は黙々と作業を続ける。

DCSとは先代からの付き合いで、先代が家具を手がけていた。町田社長とは遊び仲間だったそうだ。「ここに遊びにきてはね。よくサボらせてもらったよ。」と町田社長。

有限会社タケダ木工はもともとはドレッサーなどを手がけていた。その技術を繊細な照明デザインに生かしている。

DCSではハンス‐アウネ・ヤコブソンのヤコブソンランプ、フランク・ロイド・ライトのタリアセンの生産もしている。OEM先の照明トップブランドメーカーを通してフランク・ロイド・ライト財団から指定された日本で唯一の生産工場である。

財団のチェックは厳しく、確かな技術が要求される。タケダ木工の高い技術がそれを支えている。

※OEM(オーイーエム)と は、Original Equipment Manufacturingの略で他社ブランドの製品を製造すること。または、Original Equipment Manufacturerの略で他社ブランドの製品を製造する企業。
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上: 均等に揃えられた照明部品
左下: 壁にズラッと並んだ歯。さまざまな形がある。
右下: ひとつひとつ丁寧に正確に削られていく。


品質を保つために
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板を研磨する機械は2種類ある。武田さんの微妙な手加減で研磨される。実際に目の前で加工作業を見せてもらった。あっという間に木が美しく形作られていく。

ここではMDFも加工されている。MDF(※)は熱に強いため照明器具に不可欠なのだ。MDFは原価も安く素材として優れているが、加工が難しい。水に弱く、もろい、ネジに弱い。タケダ木工ではMDFの高度な加工もこなしている。
 
加工の歯はこれだけの種類がある。既製品もあるが、製品によってはオーダーメイドで用意をする。削り出す面にあわせて歯を変える。これにはデザイナーもかかわる。デザインの形によってどんな歯をオーダーメイドするか決める。

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木は品質を保つため、湿度調整が欠かせない。このように毛布をかけて大切に扱っている。

※ 中密度繊維板(ちゅうみつどせんいばん)は木質繊維を原料とする成型板(ファイバーボード)の一種。MDF (medium density fiberboard) と略称される。木材チップを細かく裁断し、蒸煮・解繊したものに接着剤となる合成樹脂を加えて板状に成形したものである。


木にかける気持ち
無口な武田さんは、木とは沢山の会話をしている、そんな風に感じた。丁寧に扱い、ひとつひとつ確実に仕上げている。木を見つめる武田さんの目は真剣だ。

最後に武田さんの手を撮影させてもらった。軍手には、削りくずが付いている。このたくさんの削りくずが武田さんの気持ちなのだ。

美しいDCSの木の照明には武田さんの気持ちがこもっている。

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木を削っていく角度を決めている武田さん。常に同じものを正確に作っていく。
 
2007年9月更新

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特集アーカイブ
2008年12月更新 第5回 人と人を繋ぐ人
2008年6月更新 第4回 理想の光を求めて
2007年9月更新 第3回 木の仕事師
2007年7月更新 第2回 竹とともに生きる
2007年6月更新 第1回 守られ続ける品質
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